・感染症と文明――共生への道 (岩波新書)
感染症と文明 共生への道 (岩波新書)
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今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、まさに青天の霹靂といった感覚でいたのですが、本書で感染症の歴史をみてみると、ただの平和ぼけだったのかもしれないと考え直させられます。
文明の発祥とともに始まった人類と感染症との闘いは、今尚続いているのですね。
そして、テーマでもある「感染症との共生」とはどういったものなのか。示唆に富み、非常に良かったです。
未だ終わりの見えない難しい日々ですが、今を歴史の中に置いて考えてみると、少し視野が広がるように思います。
また、あとがきにて東日本大震災時の支援活動に触れた部分があります。
"空はあくまで青く、海はあくまで蒼い。穏やかな水面には、渡り鳥が羽を休めている。風が吹き渡る。波音に驚いたのか、渡り鳥が一斉に飛び立つ。水面が波打つ。どこまでも平和な光景が広がっていた。これが、地震や津波を引き起こした同じ惑星の営みであることに眩暈を覚えた。"
私も当時、似たような心境を抱いたのを覚えています。
感染症に限らず、各地で災害も頻発しています。
こうした時代にあって、自然や人、社会と自らがどう向き合っていくのか、改めて考えてみたいと思いました。
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