何事にも失敗は付きものですが、しなくてもいい失敗はしない方がいいし、致命的な失敗は確実に避けなければなりません。
それでも、もし失敗してしまったのならば同じ失敗を繰り返さないよう失敗の原因を理解し、対策を講じる必要があります。
さらに、汎用性をもたせて類似の失敗も未然に防げるよう昇華することができれば尚よいかと思います。
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前回の投稿の通り今年はホダ化中のシイタケの木に例年になくトリコデルマ菌が入ってしまい、ただいま全力リカバリー中です。
ホダ化というのは気温と湿度の2つの条件をコントロールして、木の中にシイタケ菌が蔓延しやすく、同時にその他の雑菌が蔓延しづらい環境を作るという作業になります。
今回のトリコデルマのケースについて考えてみると、今年の空梅雨と高気温というこれまで経験したことがない気象条件に応じて乾燥と高温、それに伴うシイタケ菌の弱体化と乾燥によるクロコブタケ、高温によるヒイロタケ等の侵入に気をつけて管理をしました。
しかし、逆に多湿の状態となりリコデルマ菌が蔓延、結果シイタケ菌が弱体化という結果になってしまいました。
多湿を招いた主な原因としては、
・雨が降らないので急激な乾燥を心配しシートを外すのが遅れた。→シート内で蒸れる。
・シートを外したのち、高気温により木の温度の上がり過ぎを心配し温度を落とすために散水。同時に通風が十分でなかった。→ハウス内で蒸れる。
この辺りが考えられます。
来年からは乾燥、高温に気をつけつつ、さらに多湿にも気をつけるため、しっかりと管理基準をアップデートして臨みたいと思います。おおむね目処はつきました。
また、今回ひとつひとつ作業工程を見直す中で植菌や伏せ込み時の木の積み方に関しても改善の余地がありそうです。
これを機に菌の生態についても改めて勉強し直しています。この本、パッと探して買ったんですが当たりでした。
キノコとカビの生態学―枯れ木の中は戦国時代― (共立スマートセレクション 19)
by SimpleImageLink
より良き原木シイタケ栽培に向けて頑張ります。
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たとえ失敗をしても理由を理解して、同じ失敗をしないように対策を講じることさえしておけば、次にまた新しい失敗をしても後悔しなくて済みます。それは仕方ない失敗なので。
あとは、その失敗を活かし技術を上げていくだけです。
思えば、この試行錯誤こそが自然を相手にする農業の面白さ、醍醐味のような気もします。もちろん、そうは言ってもできるだけ失敗したくないですけど。