2018年7月28日土曜日
シイタケ農家の怨敵、土壌改良の味方『トリコデルマ』
今年の秋から使うホダ木の一部でトリコデルマが発生。菌寄生菌のトリコデルマ菌はシイタケ菌をいじめ、死滅させ、食べてしまうというシイタケ農家にとってまっこと恐ろしい菌なのです。ぎゃー。
これは胞子が緑色の「緑色トリコデルマ」というやつでしょうかね。写真中央部の植菌したシイタケ菌も食べられてぐずぐずになってしまっています。
先日まで雨無し高温の日が続いたため頻繁に散水をしていたのですが、同時に風もほぼなかったのでハウス内が蒸れて過湿を好むトリコデルマ菌が発生したのではなかろうか、と思われます…。おそらく、シイタケ菌自体も弱っていたんだと思います。
ひとまずこれ以上拡大しないように発生がひどいものは隔離しつつ、伏せ込み場の環境と管理を調整。周辺のホダ木は注意しながら経過を見ていきます。落ち着いてくれるといいのですが…。頑張ってシイタケ菌。
一方でトリコデルマ菌についていろいろ調べているとシイタケ栽培には厄介ものですが土壌改良などには有用な菌として知られているのですね。シイタケ菌を食べちゃうように悪い菌も食べてしまうのだそうです。他に身近(?)なところでは微生物農薬として水稲の種子消毒などにも活用されているみたいです。
トリコデルマの出たホダ木をすのまま培養して畑に入れればミニトマトの連作障害対策なんかに使えたりするんですかね。
菌の世界はおもしろいですねぇ。
とか言っている場合でもないのですが、せっかくの機会なのでお勉強。ポチ。
キノコとカビの生態学―枯れ木の中は戦国時代― (共立スマートセレクション 19)
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それにしても、これからの時代、天気がおかしいのは当たり前、災害、万が一はやってくる、と思って農業をやらないとだめですね。
そのためにもまずは技術力を高め、たくましく経営していく基礎体力作りに勤しみたいと思います。