方策としてはいろいろあるかと思いますが、例えば以下のようなものがあります。
【経営安定化に向けた方策】
1. 複合化・多角化栽培品目、時期の分散
加工、販売などの6次産業化
2. 利益率(所得率)の向上
売上を伸ばす
経費を減らす
(参考:【農業経営】農業所得の向上について)
3. 栽培技術の高度化
収量・品質の向上、安定化
4. 取引先との関係構築
安定した取引
非常時の連携、協調
5. 共済・保険
自然災害、病害虫などの対策
6. 貯蓄
資金の積み立て、運用
さわの場合ですと、6次産業化を通じた「1. 複合化・多角化」と「2. 利益率の向上」にとくに力を入れています。
以前も書いた通り、農業で家族が暮らしていくだけの収入を安定的に得るということを目標にするのであれば、規模拡大を求めず固定費を抑え、6次産業化によってリスクの分散をしながら一定の売上と利益率を確保するという方法がひとつの最適解ではないかと考えています。
もちろん6次産業化自体一筋縄ではいかず、やり方によってはむしろリスクを増してしまうこともあり得ます。6次産業化についてはまたあらためて書きたいと思います。
「3. 栽培技術の高度化」、「4. 取引先との関係構築」に関してはどういったレベルでかはさておき農業経営者として常に取り組みたいところです。
「5. 共済・保険」は出番がないのが一番ですが最近は信じられないような自然災害が全国持ち回りのような感じで頻発していますから本当に恐ろしい限りです。
農機具類や建物、設備は高額なものも多いですから、万が一の場合にないと農作業が滞ってしまう、かつすぐに代わりのものを購入できる以上の金額のものであれば加入しておいた方がいいのかもしれません。
来年、2019年1月から農業共済組合連合会が実施主体となり収入保険という制度が導入されるようです。掛金率1%程度で平均収入の8割が確保されるという保険です。
詳細みていないのでざっくりですが、全農産物が対象、病気やケガ、収穫後の保管中の事故、輸出に際しての為替変動などもカバーしていて、農業者ごとに収入の減少を補てんしてくれるみたいです。対象となる取引先もJAに限らないとのこと。青色申告を1年以上していれば加入できるようです。
それから、個人事業として営まれる農業経営の場合、事業資金と家計と一体化していますから何かあった時に備えて「6. 貯蓄」はとても大事かと思います。本多静六の「四分の一天引き貯金」はぜひ実践したいところです。
いざという時のためにどう対策をしておくか。起こらないに越したことはないんですが、それでも一定割合で起こるからリスクなわけで、こうした試行錯誤が経営の醍醐味でもあるのですよね。楽しや。
参考図書:『ワークブック 農家経営支援』(山田 勝 著)
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2月から3月にかけて植菌したしいたけ原木のホダ化、順調に進んでいます。
木口からもしいたけの菌が噴き出しています。そんな菌の匂いにつられて?今年は例年になくナメクジさんがたくさん…見つけたら全部捕まえています。
このホダ木は夏を越えて10月頃より使い始めます。
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