炭焼きには本格的な炭窯でやるものからドラム缶や一斗缶を利用した比較的簡易なものまで様々ありますが、今回、とてもシンプルかつ省スペースでできる炭焼き「穴焼き法」を試してみました。
穴焼き法は、道具も窯も必要なく、周りに燃えるものがない場所に穴を掘ればどこでも炭を焼くことが出来ます。準備するものは、穴を掘るためのスコップ、熾火(おきび)の材料、そして炭材だけです。
以下、ざっくりとした穴焼き法の手順です。
まず適度な大きさの穴を掘ります。深さは40〜60cm程度。
今回は炭材として廃ホダを使いました。熾火の材料には落ち葉、籾殻、杉の葉、杉の枝、割った竹を使いました。
まず穴の中で火を焚き、穴の土を乾燥させます。そのまま、熾火を作ります。
熾火ができたら炭材を入れます。
炭材の間から白い煙が上がってきたら、炭材の上に杉の葉や杉の枝を被せ、土をかけます。このとき、1箇所だけ煙の抜ける穴を作っておきます。
土の穴から白い煙がでてきます。
しばらく経つと、白い煙が徐々に青白い煙に変わってきます。青白い煙に変わったら穴に土を被せ完全に密閉します。ここから一晩待ちます。
夜の間に雪が降り、翌朝は積もっていました。
温度が高くなっているため穴のところだけ雪がありません。
穴を掘り返します。
ちゃんと炭ができていました。
穴焼き法はシンプルですが、意外にちゃんとした炭ができるようです。とりあえず炭焼きをやってみたいという場合にはいい方法かもしれません。
今回は初めての試みでしたのでまだまだ改善点はありますが、炭材として廃ホダを使えば資材の有効利用にもなりますし、農家にとって炭は生活から仕事まであらゆる場面で利用できます。今後、うまく活用していければと思います。
炭やき教本: 簡単窯から本格窯まで
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ちなみに今回の炭焼きは、『炭焼き教本—簡単窯から本格窯まで』(恩方一村逸品研究所 編、創森社)を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
中村 彰宏