2020年代に入って以降、とりわけここ2、3年は、諸々の環境が信じられないほど劇的に変化しています。
たぶん私は経営的なセンスが皆無に近いので、今ゼロからこの環境に放り込まれてうまくやれるかと聞かれたら、全く自信がありません。2010年代に助走期間が得られたことは本当に幸運でした。
また、財務面における保守的な性格のおかげで就農当時からかなり守りに比重を置いた経営をしてきました。何とか生き残れているのはそのおかげが大きいように思います。
そんなわけで、以下、さわの経営において意識している3層のディフェンスライン、リスクマネジメントです。あくまでも小規模な個人農家の個別事例ですが、参考になれば幸いです。
① 収入源の分散・利益率の確保(リスク低減)
品目・販売方法を分けて、収入源の分散・一定以上の利益率の確保をはかります。これにより、農作業を平準化しつつ、突発的な事象(異常気象・災害・急激な価格変動等)による全滅を避けることができます。
分散には、さまざまな方法があります。品目特性、季節、場所、販売形態、必要となるコスト等々。ただし、無理な分散により全体の効率が落ちてしまっては本末転倒です。効率が上がる設計を考えなければなりません。
加えて、A の売上が下がってしまった場合、後から B の売上を増やすという選択ができるようにしておくとさらに安心です。さわでは6次化によりこの対応がとれるようにしています。
② 適切な保険加入(リスク移転)
① で吸収しきれない変動には素直に保険で対応します。2019年に始まった「収入保険」はシンプルで使いやすいです。
仕組み的に、利益額に対してなるべく売上を小さくした方がお得になる(はずな)ので、利益率の確保はここでも重要になります。そのため、① のような農業とは相性が良いです。相性が良い、というのは「そもそも保険を使わないで済む、かつ掛捨て保険料が抑えられる」という意味です。
逆に言うと作物や経営体の事情によっては使いづらいという状況もあるそうです(伝聞)。確かに、利幅が極端に薄かったり、年ごとの価格変動が大きいような場合は、使いづらさがあるように思います。
ただし、収入保険はかつての水稲共済のように当然加入(強制加入)の制度ではないので、経営に合わせて相性の良い保険を選べばいいですね。
③ 基金の運用(リスク保有)
① と ② でも対応しきれなかった場合、突発的に大きな支出が発生した場合、はたまた冷静な撤退判断をするための緩衝材として、基金の運用が有用です。
経営規模の拡大を目指さない小規模な農業は、事業への再投資も限定的となるため、理屈としては資金がだぶつきます(そう理屈通りにはいかないですが)。これを基金として積み立て、運用します。
基金と言うと大仰ですが、最初のイメージが大学基金だったので、自分の中では基金と名付けています。以前であれば数ヶ月〜数年分の売上額相当の現金を確保しておけば十分でしたが、円安・インフレとなった現代においては適切な運用が必須化してきました。
法人化していなければ、基金の箱はとくに気にする必要はなく、管理も楽です。あとはじっくり十分な規模に育てていくだけですが、言うは易く行うは難しとはこのことです。全然育ちやしません。
頑張っていきましょう。