そういうわけで、厄介な雑草コレクションです。
一口に雑草と言っても、当たり前ですがひとつひとつの草には名前があり、それぞれ特徴があります。全然気にもしていなかった草がじつはおいしく食べることができたり、お茶にすることができたりということも。そして、調べてみるとそんな便利な草が意外と身の回りにはたくさんあります。
しかしながら今回はあえて、「もう本当に厄介!困る!」という草をご紹介したいと思います。
▼ 痛い、邪魔、カナムグラ
まずはこれ、カナムグラ。往往にして蔓性の植物というのは絡まり始めるととても厄介なのですが、このカナムグラはさらにとても痛いのです。
何が痛いって、この蔓にびっしりと付いたとげ。小さいのですが非常に凶悪で、まず素手で千切ろうとでもしようものなら血まみれ必至です。
手袋をして根元をハサミなどで丁寧に切るのがいいのですが、大量に繁殖されてしまうとひとつひとつ切っていくわけにもいきません。そこで大抵は刈払機を使うことになるのですが、この手の蔓性の植物に対しては普段の水平切りから垂直切りに変化させる必要があるので、普通に草刈りをするよりもものすごく体力を消耗します。
▼ 覆い尽くす、クズ
クズ。有名どころですね。カナムグラと同じ蔓性の植物ですが、こちらはとげはありません。その代わり、にょきにょき伸びて、葉っぱも大きいので木でも小屋でもなんでも覆い尽くしてしまいます。さらに放っておくと茎が太くなって木質化してくるので切るのであれば早めに切るに越したことはありません。
ただしクズは全身くまなく使えるとても有用な植物でもあり、今年新芽を天ぷらにして食べてみたところ、とても美味でした。
▼ 伸びる、固い、セイタカアワダチソウ
こちらも有名どころ、セイタカアワダチソウ。セイタカアワダチソウは群生しながらにょきにょき伸びて、そのうち茎が木質化してきます。木質化しても細いので刈払機で切ることはできるのですが朽ちるのが遅くなり、それが地面に積み重なってくると後々とても草刈りがしづらくなります。
養蜂をするにあたっては秋の蜜源にいいという話も聞きますが、いつか仲良くなれる日がくるでしょうか。蜂・・・。
▼ 紛れ込む、クサネム
これまでのものは庭や畑の草でしたが、クサネムは主に田んぼなどに生える草です。名前の通り、葉っぱがネムノキに似ています。
このクサネムにはアズキのような黒い実ができ、それがちょうどお米粒と同じような大きさと重さで、籾すり、精米をしたお米に紛れ込んでしまうのです。つまりご飯を炊くとアズキがみたいなものが混ざっているということで、これはとても困ります。なので、見つけ次第引っこ抜きます。
草対策は、早め早めが肝心です。本当に肝心です。
中村 彰宏
ポケット図鑑 日本の野草・雑草
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