今年さわの畑では、ナスとトウガラシにシンクイムシの一種であるフキノメイガが発生しています。フキノメイガの幼虫は、茎に穴をあけて入り込み(食入)、その植物を折ったり枯らしたりする、とても厄介な虫です。
フキノメイガに入られたナス。フキノメイガが入り込んだ穴からは大量の糞が出ています。
こちらはトウガラシ。トウガラシの株はまだ全体的に細いので、茎の中を空洞にされると簡単に折れてしまいます。
食入された株の弱りっぷりは一目瞭然。この写真は、元気なトウガラシ。葉がぴんぴんしています。
一方、こちらの写真はフキノメイガに食入されたトウガラシ。葉がへなへなっと力なく萎びています。
フキノメイガが食い荒らしたナスの茎。そして、茎の中に潜んでちらっと頭を出しているのがフキノメイガの幼虫です。
フキノメイガの幼虫、全身写真。これはけっこう大きめで、およそ2cm程度。こんなのが茎の中に入っていたら、そりゃ枯れますね。
フキノメイガの対策としてまず大切なのは、作物周辺の草を刈り、食入されにくい環境作りをすることだそうです。今年は(も)しばらく草ぼうぼうになってしまっていたので、入られ易い環境だったのかもしれません。けっこう入られました。
それから、すでに入られてしまったときは、取り出して確実に潰す。これがとても重要だそうです。逃してしまうとまた入られます。フキノメイガは食入した穴から枝の先端に向かって食い進むので、穴のところで切って上の茎の中を探してください。
基本的に、フキノメイガに入られた枝は樹勢が弱り、作物の品質も落ちてしまうということなので、入られたらなるべく切り落としてしまった方が良いようです。しかし、食入の初期段階であればまだ回復も見込めますし、主枝の場合は切ってしまうともうそれまでなので、細い針金を使って穴からほじり出します。
ちなみに、かなり細い針金を使うことになるので、そのままだとすぐに無くします(無くしました)。なので、針金の端にひもなどを付けておくといいかもしれません。
ほじり出すコツは、写真のように針金を一度折って、捻っておくこと。こうすることで、攻撃力が飛躍的に向上します。
サイズが小さな幼虫であれば中で潰れて、針金の輪っかに引っかかって出てくることもあります。逆に大きな幼虫の場合は大抵慌てて穴からよじよじと出てきますので、逃さず潰してください。意外と素早いので、落として見失わないように注意が必要です。なかなか出てこないこともありますが、1枚目や2枚目の写真のような穴があればほぼ確実に中にいますので、根気強くほじり続けてください。そして、しっかり潰してください。
ナスへの食入初期段階。このくらいなら、まだまだあきらめる必要はありません。小まめに作物の様子を見て、如何にこの初期段階、できれば入る前に食い止められるかが、フキノメイガ対策の肝です。
とりあえず、ナスとトウガラシに今まで入ってしまったフキノメイガは全て取り出した、はず・・・。遅ればせながら草も刈ったので、なんとか治まってくれればいいのですが。
植物の病害虫百科: 植物の病害虫その知識と予防
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追記(2013-8-18)
どうしても卵を見つけられず、夜の畑に探しに行ったところ、トウガラシの葉の裏で交尾中のフキノメイガを見つけました。写真を撮ろうとしたら逃げたので、この写真はツユクサにとまっているところなのですが、さらにもう1組トウガラシの葉の裏で見つけました。
どうやら、まだまだフキノメイガの猛威は続きそうです。
追記(2013-8-19)
フキノメイガと表記していましたが、フキノメイガとアズキノメイガの違いがよくわからないので、もしかしたらアズキノメイガが正しいかもしれません。タイトルにも括弧書きでアズキノメイガと追記しておきました。ただ、どちらにせよ被害や生態、防除方法等は同じようです。
中村 彰宏